聖書 — 口語訳 (1955)
テモテへの第一の手紙 4
概要
テモテへの第一の手紙4章で、パウロは自分が育ててきた若い指導者テモテに手紙を書きます。テモテはエペソの教会を見守る務めを託されています。パウロは、ある人々が偽りの教えのために信仰から離れていくと警告し、神の造られたものは良いものだと述べたうえで、信心のために自分を訓練するよう勧めます。若くても信者の模範となること、聖書の朗読と勧めと教えに心を用いること、そして自分自身と教えの両方に気をつけることを求めています。
この章の3つの区分
1しかし、御霊は明らかに告げて言う。後の時になると、ある人々は、惑わす霊と悪霊の教とに気をとられて、信仰から離れ去るであろう。
2それは、良心に焼き印をおされている偽り者の偽善のしわざである。
3これらの偽り者どもは、結婚を禁じたり、食物を断つことを命じたりする。しかし食物は、信仰があり真理を認める者が、感謝して受けるようにと、神の造られたものである。
4神の造られたものは、みな良いものであって、感謝して受けるなら、何ひとつ捨てるべきものはない。
5それらは、神の言と祈とによって、きよめられるからである。
6これらのことを兄弟たちに教えるなら、あなたは、信仰の言葉とあなたの従ってきた良い教の言葉とに養われて、キリスト・イエスのよい奉仕者になるであろう。
7しかし、俗悪で愚にもつかない作り話は避けなさい。信心のために自分を訓練しなさい。
8からだの訓練は少しは益するところがあるが、信心は、今のいのちと後の世のいのちとが約束されてあるので、万事に益となる。
9これは確実で、そのまま受けいれるに足る言葉である。
10わたしたちは、このために労し苦しんでいる。それは、すべての人の救主、特に信じる者たちの救主なる生ける神に、望みを置いてきたからである。
11これらの事を命じ、また教えなさい。
12あなたは、年が若いために人に軽んじられてはならない。むしろ、言葉にも、行状にも、愛にも、信仰にも、純潔にも、信者の模範になりなさい。
13わたしがそちらに行く時まで、聖書を朗読することと、勧めをすることと、教えることとに心を用いなさい。
14長老の按手を受けた時、預言によってあなたに与えられて内に持っている恵みの賜物を、軽視してはならない。
15すべての事にあなたの進歩があらわれるため、これらの事を実行し、それを励みなさい。
16自分のことと教のこととに気をつけ、それらを常に努めなさい。そうすれば、あなたは、自分自身とあなたの教を聞く者たちとを、救うことになる。
鍵となる聖句
しかし、御霊は明らかに告げて言う。後の時になると、ある人々は、惑わす霊と悪霊の教とに気をとられて、信仰から離れ去るであろう。
パウロは、後の時になると、ある人々が信仰から離れ去ると告げます。離れるためには、まず信仰を受けていなければなりません。この箇所は、すべての信者に目を覚ましているよう促しています。
しかし、俗悪で愚にもつかない作り話は避けなさい。信心のために自分を訓練しなさい。 からだの訓練は少しは益するところがあるが、信心は、今のいのちと後の世のいのちとが約束されてあるので、万事に益となる。
「訓練しなさい」という言葉は、体育場で使われた用語から来ています。信心は鍛錬のように、規則正しく、節度をもって培うものです。それは今のいのちにも、後の世のいのちにも実を結ぶからです。
あなたは、年が若いために人に軽んじられてはならない。むしろ、言葉にも、行状にも、愛にも、信仰にも、純潔にも、信者の模範になりなさい。
パウロは若い指導者を励まします。権威は年齢から生まれるのではなく、言葉、行状、愛、信仰、純潔の五つの面での模範から生まれます。
自分のことと教のこととに気をつけ、それらを常に努めなさい。そうすれば、あなたは、自分自身とあなたの教を聞く者たちとを、救うことになる。
自分のことと教えのことに気をつけることは、切り離せません。「自分自身とあなたの教を聞く者たちとを、救うことになる」という言葉の理解は、キリスト者の間で異なりますが、誰もがそこに、最後まで忍耐するようにとの呼びかけを読み取ります。
説教が語っていること
テモテへの第一の手紙4章についてよくある質問
テモテへの第一の手紙4章1節はどういう意味ですか。
パウロは、御霊が明らかに告げていると言います。後の時になると、ある人々が惑わす霊と悪霊の教えに気をとられて、信仰から離れ去るというのです。これは信仰を知っていた人々のことであり、だからこそ重く響きます。救いの確かさについて、キリスト教の伝統ごとに引き出す結論は同じではありませんが、どの伝統もここに、真理にとどまり、目を覚ましているようにとの呼びかけを読み取ります。
「信心のために自分を訓練しなさい」(4章7節)とはどういう意味ですか。
パウロは信仰生活を訓練にたとえています。運動選手が毎日鍛えるように、信者も祈りと御言葉と従順によって神との関係を育てます。パウロは、からだの訓練は少しは益するところがあるが、信心は万事に益となり、今のいのちにも後の世のいのちにも約束があると述べています。
「年が若いために人に軽んじられてはならない」とはどういう意味ですか。
パウロは、テモテが引け目を感じずに務めを果たすよう励ましています。指導者に重みを与えるのは年齢ではなく、その模範です。話し方、行い、愛し方、信じ方、純潔を保つ姿です。若すぎる、経験が足りないと感じて奉仕をためらう人にも、この言葉は当てはまります。
テモテへの第一の手紙 4を引用している記事
口語訳(1955年)— パブリックドメイン。