聖書 — 口語訳 (1955)

ヨハネの黙示録 2

概要

ヨハネの黙示録2章には、小アジアの教会にあてた、よみがえられたキリストの七つの手紙のうち、四つが収められています。エペソでは、厳格な教会が初めの愛を失っています。スミルナでは、貧しく迫害された教会が忠実であるよう召されます。ペルガモでは、堅く立つ教会が妥協の教えを許しています。テアテラでは、わざは増していますが、イゼベルが信者を惑わしています。どの手紙も、勝利を得る者への約束で結ばれています。

この章の4つの区分

  1. 1-7節エペソ:初めの愛に立ち返りなさい
  2. 8-11節スミルナ:死に至るまで忠実であれ
  3. 12-17節ペルガモ:妥協せずに堅く立つ
  4. 18-29節テアテラ:増していくわざと、許されているイゼベル

1エペソにある教会の御使に、こう書きおくりなさい。『右の手に七つの星を持つ者、七つの金の燭台の間を歩く者が、次のように言われる。

2わたしは、あなたのわざと労苦と忍耐とを知っている。また、あなたが、悪い者たちをゆるしておくことができず、使徒と自称してはいるが、その実、使徒でない者たちをためしてみて、にせ者であると見抜いたことも、知っている。

3あなたは忍耐をし続け、わたしの名のために忍びとおして、弱り果てることがなかった。

4しかし、あなたに対して責むべきことがある。あなたは初めの愛から離れてしまった。

5そこで、あなたはどこから落ちたかを思い起し、悔い改めて初めのわざを行いなさい。もし、そうしないで悔い改めなければ、わたしはあなたのところにきて、あなたの燭台をその場所から取りのけよう。

6しかし、こういうことはある。あなたはニコライ宗の人々のわざを憎んでおり、わたしもそれを憎んでいる。

7耳のある者は、御霊が諸教会に言うことを聞くがよい。勝利を得る者には、神のパラダイスにあるいのちの木の実を食べることをゆるそう』。

8スミルナにある教会の御使に、こう書きおくりなさい。『初めであり、終りである者、死んだことはあるが生き返った者が、次のように言われる。

9わたしは、あなたの苦難や、貧しさを知っている(しかし実際は、あなたは富んでいるのだ)。また、ユダヤ人と自称してはいるが、その実ユダヤ人でなくてサタンの会堂に属する者たちにそしられていることも、わたしは知っている。

10あなたの受けようとする苦しみを恐れてはならない。見よ、悪魔が、あなたがたのうちのある者をためすために、獄に入れようとしている。あなたがたは十日の間、苦難にあうであろう。死に至るまで忠実であれ。そうすれば、いのちの冠を与えよう。

11耳のある者は、御霊が諸教会に言うことを聞くがよい。勝利を得る者は、第二の死によって滅ぼされることはない』。

12ペルガモにある教会の御使に、こう書きおくりなさい。『鋭いもろ刃のつるぎを持っているかたが、次のように言われる。

13わたしはあなたの住んでいる所を知っている。そこにはサタンの座がある。あなたは、わたしの名を堅く持ちつづけ、わたしの忠実な証人アンテパスがサタンの住んでいるあなたがたの所で殺された時でさえ、わたしに対する信仰を捨てなかった。

14しかし、あなたに対して責むべきことが、少しばかりある。あなたがたの中には、現にバラムの教を奉じている者がある。バラムは、バラクに教え込み、イスラエルの子らの前に、つまずきになるものを置かせて、偶像にささげたものを食べさせ、また不品行をさせたのである。

15同じように、あなたがたの中には、ニコライ宗の教を奉じている者もいる。

16だから、悔い改めなさい。そうしないと、わたしはすぐにあなたのところに行き、わたしの口のつるぎをもって彼らと戦おう。

17耳のある者は、御霊が諸教会に言うことを聞くがよい。勝利を得る者には、隠されているマナを与えよう。また、白い石を与えよう。この石の上には、これを受ける者のほかだれも知らない新しい名が書いてある』。

18テアテラにある教会の御使に、こう書きおくりなさい。『燃える炎のような目と光り輝くしんちゅうのような足とを持った神の子が、次のように言われる。

19わたしは、あなたのわざと、あなたの愛と信仰と奉仕と忍耐とを知っている。また、あなたの後のわざが、初めのよりもまさっていることを知っている。

20しかし、あなたに対して責むべきことがある。あなたは、あのイゼベルという女を、そのなすがままにさせている。この女は女預言者と自称し、わたしの僕たちを教え、惑わして、不品行をさせ、偶像にささげたものを食べさせている。

21わたしは、この女に悔い改めるおりを与えたが、悔い改めてその不品行をやめようとはしない。

22見よ、わたしはこの女を病の床に投げ入れる。この女と姦淫する者をも、悔い改めて彼女のわざから離れなければ、大きな患難の中に投げ入れる。

23また、この女の子供たちをも打ち殺そう。こうしてすべての教会は、わたしが人の心の奥底までも探り知る者であることを悟るであろう。そしてわたしは、あなたがたひとりびとりのわざに応じて報いよう。

24また、テアテラにいるほかの人たちで、まだあの女の教を受けておらず、サタンの、いわゆる「深み」を知らないあなたがたに言う。わたしは別にほかの重荷を、あなたがたに負わせることはしない。

25ただ、わたしが来る時まで、自分の持っているものを堅く保っていなさい。

26勝利を得る者、わたしのわざを最後まで持ち続ける者には、諸国民を支配する権威を授ける。

27彼は鉄のつえをもって、ちょうど土の器を砕くように、彼らを治めるであろう。それは、わたし自身が父から権威を受けて治めるのと同様である。

28わたしはまた、彼に明けの明星を与える。

29耳のある者は、御霊が諸教会に言うことを聞くがよい』。

鍵となる聖句

4-5節
しかし、あなたに対して責むべきことがある。あなたは初めの愛から離れてしまった。 そこで、あなたはどこから落ちたかを思い起し、悔い改めて初めのわざを行いなさい。もし、そうしないで悔い改めなければ、わたしはあなたのところにきて、あなたの燭台をその場所から取りのけよう。

見たところ非の打ちどころのない教会に対するキリストの叱責です。教会は「初めの愛から離れてしまった」のです。キリストは立ち返る道を示されます。どこから落ちたかを思い起こし、悔い改め、初めのわざを行うことです。

10節
あなたの受けようとする苦しみを恐れてはならない。見よ、悪魔が、あなたがたのうちのある者をためすために、獄に入れようとしている。あなたがたは十日の間、苦難にあうであろう。死に至るまで忠実であれ。そうすれば、いのちの冠を与えよう。

キリストはスミルナに、苦しみを避けられるとは約束されませんが、恐れず忠実であるよう求められます。いのちの冠は、耐え抜く者に約束されています。

13節
わたしはあなたの住んでいる所を知っている。そこにはサタンの座がある。あなたは、わたしの名を堅く持ちつづけ、わたしの忠実な証人アンテパスがサタンの住んでいるあなたがたの所で殺された時でさえ、わたしに対する信仰を捨てなかった。

ペルガモは異教の礼拝が盛んな町にあり、キリストはそれをご存じです。忠実な証人が殺されたときでさえ、教会が信仰を捨てなかったことを認めておられます。

17節
耳のある者は、御霊が諸教会に言うことを聞くがよい。勝利を得る者には、隠されているマナを与えよう。また、白い石を与えよう。この石の上には、これを受ける者のほかだれも知らない新しい名が書いてある』。

隠されているマナ、白い石、新しい名。勝利を得る者への個人的な約束です。これらの象徴は、出エジプトのマナや、神との親しい交わりを思わせます。

25節
ただ、わたしが来る時まで、自分の持っているものを堅く保っていなさい。

テアテラでキリストは、信仰者に余分な重荷を負わせず、再び来られるときまで持っているものを堅く保つよう求められます。忍耐も、その答えの一部です。

この章に登場する人物

説教が語っていること

エフェソ:初めの愛に立ち返りなさいルイ・エスメルはエペソへの手紙を読み直します。働き、忍耐し、偽使徒を見抜いたが、愛は冷めてしまった教会です。5節の三つの動詞、思い起こしなさい、悔い改めなさい、行いなさいに注目します。要約を読む →あなたの人生のペルガモンはどこですかコランタン・ド・ラルブルは、神殿やゼウスの祭壇、アスクレピオス信仰のあるペルガモの背景を示します。そこに妥協と相対化の誘惑を見て、みことばを剣として自分の立場を守るよう呼びかけます。要約を読む →貪欲:あなたの初めの愛を奪う罠セレスタン・ヤオはエペソへの叱責から出発し、心を冷やすわなを問いかけます。貪欲をエデンの園に結びつけ、さらに、最初のアダムが失敗した所でイエスが勝利された荒野に結びつけます。要約を読む →マナの三つの意味:出エジプト記、民数記、黙示録からこの説教は、マナを受け取る三つの仕方をたどります。その日のマナ、前日のマナ、世代のために取っておくマナです。黙示録2章17節の隠されているマナを、信仰を伝えるという召しに結びつけます。要約を読む →初めの愛を取り戻すとき、何が変わるのか説教者は、自分の力で神を愛することはできず、愛は神が自分を愛しておられると知ることから生まれると語ります。イエスを愛すると言ったペテロと、イエスが自分を愛しておられると知っていたヨハネを対比します。要約を読む →

ヨハネの黙示録2章についてよくある質問

黙示録2章4節の初めの愛から離れるとはどういう意味ですか

キリストは、働き、忍耐し、健全な教えを守っていたエペソの教会が、初めの愛を失ったことを責められます。活動的で厳格であっても、神との関係が冷めることがあると本文は示します。示される処方は、思い起こし、悔い改め、初めのわざを行うことです。

黙示録の七つの教会とは何ですか

現在のトルコにあたる小アジアにあった七つの実在の共同体で、キリストがそれぞれに手紙を送られます。2章はそのうちの四つ、エペソ、スミルナ、ペルガモ、テアテラを取り上げます。クリスチャンはこれを、当時の教会へのメッセージであると同時に、今日の教会と信者ひとりひとりを吟味する招きと受け取ります。さらに、教会史の時代を表すものと読む人もいますが、すべての伝統がこの読み方を取るわけではありません。

17節の隠されているマナと白い石は何を意味しますか

マナは、荒野でイスラエルに神が与えられた食べ物を思い起こさせ、新しい名の記された白い石は、個人的な恵みのしるしを思わせます。これらの象徴は、勝利を得る者に、神との親しい関係と、神から受ける新しい身分を約束しています。石の細部については注解者がいくつもの説明を示しており、本文はそれを決めていません。

なぜイエスはペルガモのサタンの座について語られるのですか

ペルガモは小アジアの大きな宗教の中心地で、複数の神々にささげられた神殿がありました。多くの人が、13節のこの表現を、異教礼拝の空気とクリスチャンへの圧力への言及と見ます。キリストはこの状況を無視されず、教会の住んでいる所を知っていると言い、その忠実さを認めておられます。

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