キリストにあって:どんな状況でも揺るがないあなたのアイデンティティ

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はじめに

アイデンティティに関するシリーズの第2メッセージです。前回ベンが「神のかたちに創造された」ことから始めましたが、今回ティエリは、パウロが新約聖書で繰り返し語る小さな表現「キリストにあって」に注目します。この三つの言葉は、さっと読むと何も残さず流れ去ってしまいますが、実はクリスチャンの新しい霊的現実を describe しています。ティエリは「キリスト」という言葉の意味を解き明かし、イエスが十字架で成し遂げたことを思い起こさせ、そこからあなたの人生への四つの具体的な意味を展開します。すなわち、救いはキリストにあること、あなたはキリストにあること、あなたはキリストにあってひとつのからだの部分であること、そしてあなたはどんな状況でもキリストにあって立ち続けるということです。

メッセージの構成

1. キリスト:油注ぎを受けた方

  • 「キリスト」という言葉(ギリシャ語クリストス)は「油注がれた者」を意味し、ヘブライ語のマシアハ(メシア)を翻訳したものです。
  • 第一の契約のもとでは、三つのカテゴリーの人々がその務めに就くために油を注がれました。預言者(列王記第一 19:16)、祭司(出エジプト記 40:13-15)、そして王(サムエル記第一 10:1)です。
  • 旧約聖書において、これら三つの職務を同時に担った者は誰もいません。イエスだけが、預言者、祭司、王として、ご自身の人格の中でこれらを総括する唯一の方です。
  • イエスが地上に来られたとき、イスラエルの民のメシア待望は強いものでした。侵略者のくびきのもとで、神は幾世紀もの間沈黙しておられ、民は解放者を待ち望んでいました。
  • イエスは神に養子とされた単なる人間ではありません(それは養子的キリスト論という異端です)。彼は神ご自身であり、その神性を脱ぎ捨てて、ただの人間として私たちの間に来られ、成長し、ご自身が誰であるかを自覚し、その務めに入り、十字架にまで至られました。

2. 救いはキリストにある

  • 十字架の上で、イエスは「わたしたちを責め立てる債務証書……を取り除いてくださいました」(コロサイ人への手紙 2:14)。この責め立てる証書とは、私たちを罪に定め、死と神からの分離に値すると宣告する律法のことです。
  • 彼は律法そのものを廃棄したのではなく、あなたに対するその効力を無効にしたのです。さらに彼は「もろもろの支配と権威の武装を解除し、十字架によって彼らに勝利し、彼らをさらしものとされました」(コロサイ人への手紙 2:15)。ローマ人やユダヤ人の祭司たち、群衆を扇動してイエスを十字架につけさせたことで勝利したと思っていた敵、告発者は、すべての力を奪われてしまいました。
  • これはパウロがローマ人への手紙 6:3-4で展開している内容です。バプテスマにおいて、あなたはキリストと共にその死に葬られ、共によみがえらされて、新しいいのちに歩むのです。水のバプテスマはこの現実を真実にするものではなく、2000年前にイエスがあなたを墓の中へ、そして墓の外へと連れ出してくださった出来事を象徴するものです。
  • ガラテヤ人への手紙 2:16。神の前で義とされるのは律法の行いによってではなく、キリスト・イエスに置かれた信仰によってです。ギリシャ語には、フランス語ではしばしば見落とされるニュアンスがあります。それは単に「キリスト信仰」ではなく、キリストに向けて、対して置かれた信仰なのです。パウロはあなたに道を示しています。キリストにあるためには、まずあなたの信頼をイエスに向けて置く必要があるのです。
  • イエスはあなたのために救いの門を大きく開くためにできる限りのすべての歩みを歩まれました。あなたに残されているのは、あなただけがなし得る一つの道、すなわち彼への信頼を置くことです。聖霊は今朝、あなたの心の扉を叩いているかもしれません。あなたが知っていることだけでは足りません。あなたが知識として持っていることだけでは足りません。主は、あなたの信仰が遠くから同意するものではなく、あなた自身にとっての現実となることを望んでおられます。

3. クリスチャンはキリストにある

  • ローマ人への手紙 8:1。「こういうわけで、今やキリスト・イエスにある者が罪に定められることは決してありません。なぜなら、キリスト・イエスにあるいのちの御霊の律法が、罪と死との律法から、私を解放したからです。」
  • あなたがキリストにあるとき、あなたはもはや罪の宣告のもとにはいません。十字架でのイエスの勝利は、あなたが生きていた罪の宣告を断ち切ります。
  • テモテへの手紙第二 2:10がこれを要約しています。救いはキリスト・イエスにあるのです。

4. 私たちはキリストにあってひとつのからだを形づくる

  • ローマ人への手紙 12:5。「私たちは数は多くても、キリストにあってひとつのからだであり、また各自は互いに器官として結ばれているのです。」
  • 私たちを形づくる個人主義的な社会の中で、私たちはこのことをもう一度聞き直す必要があります。教会は、共通のプロジェクトや思想を共有するから加わる団体ではありません。それは霊的な現実です。私たちが自分たちを選んだのではなく、イエスが私たちを選び、ここ、パリの、2026年に、共に集めてくださったのです。
  • イザヤ書 53:6。「私たちはみな、羊のようにさまよい、おのおの自分の道に向かって行った。主は、私たちすべての者の咎を彼に負わせられた。」十字架で、罪のないイエスが私たちの罪をご自身の上に負われました。彼は雷を受け止めるヒューズとなられたのです。そして、さまよっていた者たちは、その後、同じ歩調で歩む群れ、ひとつの民を形づくります。
  • 木であるためには、根が一区画の地に植えられていなければなりません。クリスチャンであるためには、地域教会の中で生きなければなりません。最善なのは、キリストにあると同時に、他の兄弟姉妹たちと共に地域教会に根を下ろすことです。
  • どのような状況にあっても、私たちはキリストにあって互いに共にいます。私たちは兄弟姉妹に頼ることができます。互いのために祈り、互いを支え合い、互いのために行動することができるのです。

5. どんな状況でもキリストにある

  • ガラテヤ人への手紙 3:26-28。あなたがたはみな、キリスト・イエスにある信仰によって、神の子どもです。もはやユダヤ人もギリシャ人もなく、奴隷も自由人もなく、男も女もありません。あなたがたはみな、キリスト・イエスにあって一つだからです。
  • キリストにあるという現実は、多くの分離の壁を取り除きます。選ばれた民と愛されない民がいるのではなく、神が愛しておられるひとつの人類があるのです。厳格な思想の中で育ったユダヤ人パウロは、ダマスコへの道でイエスに出会った後にこれを書けるようになったのです。
  • 奴隷制が構造的に存在していた社会において、福音は突如として現れ、同じ信仰を分かち合う自由人と奴隷を共に結びつけました。それは人間の間の、人間として見なされる者とそうでない者との間の階層を揺るがすものでした。
  • 「あなたがたはみな、キリスト・イエスにあって一つです」。そこにはキリストという頭がおり、また男性、女性、子ども、高齢者、若者、様々な背景、様々な環境、様々な職業からなる教会があります。イエスは各人に同じまなざしを向けておられます。あなたは彼の目に、あなたの隣人と同じ価値を持っているのです。
  • 今日その逆を思っているあなたへ。イエスの方から、彼はあなたを愛しておられ、あなたは彼の目に貴重な価値を持っています。彼はあなたがそれに気づき、それを受け入れ、それを信じることを望んでおられます。
  • 「あなたがたはキリストを着たのです」(ガラテヤ人への手紙 3:27)。あなたがキリストにあるとき、それはあなたが身にまとうマントのようなものです。黙示録は、小羊の血で自分の衣を洗った聖徒たちについて語っています(黙示録 7:14)。キリストはあなたを義のマントで覆い、あなたを義と宣言してくださいます。
  • イエスは、めんどりが自分のひなを翼の下に集めるという、エルサレムのイメージでこの覆いをほのめかされました。「めんどりが翼の下にひなを集めるように、わたしはお前の子らを幾たび集めようとしたことか」(マタイの福音書 23:37)。日々、イエスは翼の下にひなを集めるめんどりのようです。「あまり栄光ある姿ではありません」とティエリは認めます。「私たちはユダ族のライオンの方を好みます」。しかし日常においては、翼の下にひなを集めるめんどりのイメージは、何度も安心を与えてくれます。
  • 長老たちとの祈りの中で受けた幻から取られた最後のイメージ。舟の中に立たれるイエス(マタイの福音書 8:23-26)。彼は弟子たちと共に舟に乗り込まれ、大きな嵐が起こり、舟は波に覆われますが、彼は眠っておられます。弟子たちは彼を起こします。「主よ、私たちをお救いください」。彼は起き上がり、風と海を叱りつけられると、大なぎになりました。
  • イエスはあなたの舟の中におられます。あなたはキリストを着ており、彼はあなたと共におられます。どんな状況も、あなたからこのマントを脱がせることはできません。もしあなたが今まさに嵐の中を通っているなら、たとえ彼が眠って何もしていないように見えても、彼は見守っておられます。「イスラエルを守る方は、まどろむこともなく、眠ることもない」(詩篇 121:4)。彼は一瞬にして嵐を静め、状況を変えることができる方です。
  • ピリピ人への手紙 4:6-7。何も思い煩わず、あらゆることについて、感謝をもって祈りと願いをささげ、あなたがたの願い事を神に知っていただきなさい。そうすれば、あらゆる理解を超えた神の平安が、あなたがたの心と思いを、キリスト・イエスにあって守ってくれます。
  • テモテへの手紙第二 2:1。「わが子よ、あなたはキリスト・イエスにある恵みによって強められなさい。」私たちは互いに励まし合い、みことばを読み、祈ることによって強められます。どのような状況にあっても、キリストにあって、彼はあなたを見守っておられます。

覚えておくべきポイント

  • 「キリスト」は「油注がれた者」を意味します。イエスは、旧約聖書における油注がれた者の三つの職務、すなわち預言者、祭司、王を、ご自身のうちに総括する唯一の方です。
  • 救いは宗教的な行いにではなく、キリストにあります。イエスは十字架で律法の責め立てる証書を無効にし(コロサイ人への手紙 2:14)、勝利したと思っていた諸権威の武装を解除されました。
  • キリストにあることは霊的な現実です。もはや罪の宣告はなく、新しいアイデンティティがあり、あなたを覆う義のマントがあります。
  • あなたはひとりではありません。イエスは、一区画の地に植えられた木のように、地域教会の中で兄弟姉妹と共にあなたを置いてくださいました。
  • どのような状況にあっても、イエスはあなたの舟の中におられます。たとえ眠っておられるように見えても、彼は見守り、あなたの心を支えていてくださいます。

個人的な適用

  1. 「キリストにある」ということは、あなたにとって宗教的な言葉にすぎないでしょうか、それとも日常の中で生きられている現実でしょうか。どこにずれがあるでしょうか。
  2. イエスが十字架で無効にされたにもかかわらず、あなたがまだ抱えている「責め立てる証書」はありますか。あなたを追いかけてくる断罪、思い出、過去の罪はありますか。
  3. あなたは地域教会に根を下ろしていますか、それとも「ひとりぼっちのクリスチャン」でしょうか。今週植えるべき次の根は何でしょうか。
  4. あなたの共同体の中で、今週具体的に頼れる人は誰でしょうか。そして誰があなたを頼りにしているでしょうか。
  5. 今日あなたが経験している嵐は何で、イエスが舟の中で眠っておられるように見えるでしょうか。思い煩いに屈することなく、どのように彼への信頼を再び言い表せるでしょうか。

引用された聖句

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よくある質問

「キリストにある」とは具体的にどういう意味ですか。

「キリストにある」とは神秘的な決まり文句ではなく、神なしの人生から新しいいのちへと移されたクリスチャンの霊的現実です。この現実は、イエスの死と復活によって可能となりました。あなたが彼に信頼を置くとき、あなたは彼と共にその死に葬られ、共によみがえらされて、新しいいのちに歩むのです(ローマ人への手紙 6:3-4)。具体的には、あなたにはもはや罪の宣告はなく(ローマ人への手紙 8:1)、あなたは彼の義のマントを着せられ、教会という彼のからだに属し、彼はどんな状況においてもあなたを立たせてくださいます。

キリストにあるためには、必ず地域教会に属さなければならないのですか。

あなたは教会への所属によってではなく、信仰によってキリストにあります。しかしティエリはこう強調します。「木であるためには、根が一区画の地に植えられていなければなりません。クリスチャンであるためには、地域教会の中で生きなければなりません。」これは新約聖書の勧めです。私たちは互いに器官であり、キリストにあってひとつのからだの器官です(ローマ人への手紙 12:5)。最善なのは、キリストにあると同時に、地域教会に根を下ろし、頼ることができ、また自分を頼ってくれる兄弟姉妹を持つことです。

イエスが私と共におられるなら、なぜ嵐が来ると彼が眠っておられるように感じるのでしょうか。

それはまさにマタイ8章の舟の中の弟子たちが経験したことです。舟は波に覆われ、彼は眠っておられます。彼らが彼を起こすと、彼は起き上がり、風と海を叱りつけられ、大なぎになりました。イエスは決して見守ることをやめられませんでした。「イスラエルを守る方は、まどろむこともなく、眠ることもない」(詩篇 121:4)。彼が眠っているという印象は、時に私たちの状況の読み方にすぎません。この箇所はあなたに嵐がないことを約束してはいません。それはイエスがあなたと共に舟の中におられ、一瞬にして状況を変えることができることを約束しているのです。ピリピ人への手紙 4:6-7はその適用を引き出しています。思い煩う代わりに、あなたの必要を神に差し出しなさい。そうすれば彼の平安があなたの心をキリスト・イエスにあって守ってくれます。

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