聖書 — 口語訳 (1955)

使徒行伝 18

概要

使徒行伝18章で、パウロはアテネを去ってコリントに向かいます。商業で栄え、風紀の乱れでも知られた町です。パウロはアクラとプリスキラとともに働き、会堂で教え、やがて異邦人へと向かいます。神は幻によって彼を励まし、パウロは一年六か月とどまります。総督ガリオの前で訴えられますが、釈放されます。章はその後のアンテオケまでの旅を追い、雄弁なアポロを紹介します。プリスキラとアクラは、彼が神の道をいっそう正しく理解できるよう助けます。

この章の5つの区分

  1. 1-8節コリント:仕事、会堂、開かれた家
  2. 9-11節「恐れるな」:主はパウロに語られ、彼はとどまる
  3. 12-17節ガリオの前で:訴えは退けられる
  4. 18-23節エペソからアンテオケへ、そしてガラテヤとフルギヤ
  5. 24-28節エペソのアポロ:プリスキラとアクラのやさしい導き

1その後、パウロはアテネを去ってコリントへ行った。

2そこで、アクラというポント生れのユダヤ人と、その妻プリスキラとに出会った。クラウデオ帝が、すべてのユダヤ人をローマから退去させるようにと、命令したため、彼らは近ごろイタリヤから出てきたのである。

3パウロは彼らのところに行ったが、互に同業であったので、その家に住み込んで、一緒に仕事をした。天幕造りがその職業であった。

4パウロは安息日ごとに会堂で論じては、ユダヤ人やギリシヤ人の説得に努めた。

5シラスとテモテが、マケドニヤから下ってきてからは、パウロは御言を伝えることに専念し、イエスがキリストであることを、ユダヤ人たちに力強くあかしした。

6しかし、彼らがこれに反抗してののしり続けたので、パウロは自分の上着を振りはらって、彼らに言った、「あなたがたの血は、あなたがた自身にかえれ。わたしには責任がない。今からわたしは異邦人の方に行く」。

7こう言って、彼はそこを去り、テテオ・ユストという神を敬う人の家に行った。その家は会堂と隣り合っていた。

8会堂司クリスポは、その家族一同と共に主を信じた。また多くのコリント人も、パウロの話を聞いて信じ、ぞくぞくとバプテスマを受けた。

9すると、ある夜、幻のうちに主がパウロに言われた、「恐れるな。語りつづけよ、黙っているな。

10あなたには、わたしがついている。だれもあなたを襲って、危害を加えるようなことはない。この町には、わたしの民が大ぜいいる」。

11パウロは一年六か月の間ここに腰をすえて、神の言を彼らの間に教えつづけた。

12ところが、ガリオがアカヤの総督であった時、ユダヤ人たちは一緒になってパウロを襲い、彼を法廷にひっぱって行って訴えた、

13「この人は、律法にそむいて神を拝むように、人々をそそのかしています」。

14パウロが口を開こうとすると、ガリオはユダヤ人たちに言った、「ユダヤ人諸君、何か不法行為とか、悪質の犯罪とかのことなら、わたしは当然、諸君の訴えを取り上げもしようが、

15これは諸君の言葉や名称や律法に関する問題なのだから、諸君みずから始末するがよかろう。わたしはそんな事の裁判人にはなりたくない」。

16こう言って、彼らを法廷から追いはらった。

17そこで、みんなの者は、会堂司ソステネを引き捕え、法廷の前で打ちたたいた。ガリオはそれに対して、そ知らぬ顔をしていた。

18さてパウロは、なお幾日ものあいだ滞在した後、兄弟たちに別れを告げて、シリヤへ向け出帆した。プリスキラとアクラも同行した。パウロは、かねてから、ある誓願を立てていたので、ケンクレヤで頭をそった。

19一行がエペソに着くと、パウロはふたりをそこに残しておき、自分だけ会堂にはいって、ユダヤ人たちと論じた。

20人々は、パウロにもっと長いあいだ滞在するように願ったが、彼は聞きいれないで、

21「神のみこころなら、またあなたがたのところに帰ってこよう」と言って、別れを告げ、エペソから船出した。

22それから、カイザリヤで上陸してエルサレムに上り、教会にあいさつしてから、アンテオケに下って行った。

23そこにしばらくいてから、彼はまた出かけ、ガラテヤおよびフルギヤの地方を歴訪して、すべての弟子たちを力づけた。

24さて、アレキサンデリヤ生れで、聖書に精通し、しかも、雄弁なアポロというユダヤ人が、エペソにきた。

25この人は主の道に通じており、また、霊に燃えてイエスのことを詳しく語ったり教えたりしていたが、ただヨハネのバプテスマしか知っていなかった。

26彼は会堂で大胆に語り始めた。それをプリスキラとアクラとが聞いて、彼を招きいれ、さらに詳しく神の道を解き聞かせた。

27それから、アポロがアカヤに渡りたいと思っていたので、兄弟たちは彼を励まし、先方の弟子たちに、彼をよく迎えるようにと、手紙を書き送った。彼は到着して、すでにめぐみによって信者になっていた人たちに、大いに力になった。

28彼はイエスがキリストであることを、聖書に基いて示し、公然と、ユダヤ人たちを激しい語調で論破したからである。

鍵となる聖句

2-3節
そこで、アクラというポント生れのユダヤ人と、その妻プリスキラとに出会った。クラウデオ帝が、すべてのユダヤ人をローマから退去させるようにと、命令したため、彼らは近ごろイタリヤから出てきたのである。 パウロは彼らのところに行ったが、互に同業であったので、その家に住み込んで、一緒に仕事をした。天幕造りがその職業であった。

パウロはローマを追われたアクラとプリスキラに出会い、天幕造りとして彼らとともに働きます。使徒の働きは、一つの友情と、ごく普通の仕事の上に成り立っていました。

9-10節
すると、ある夜、幻のうちに主がパウロに言われた、「恐れるな。語りつづけよ、黙っているな。 あなたには、わたしがついている。だれもあなたを襲って、危害を加えるようなことはない。この町には、わたしの民が大ぜいいる」。

敵意に満ちた状況の中で、主はパウロに「黙っているな」と語り、「わたしがついている」と約束されます。さらに、この町にはすでにわたしの民が大ぜいいる、と告げられます。

26節
彼は会堂で大胆に語り始めた。それをプリスキラとアクラとが聞いて、彼を招きいれ、さらに詳しく神の道を解き聞かせた。

プリスキラとアクラは、人前でアポロを笑いものにしません。彼を自分たちの家に迎え、神の道をもっと正確に説明します。兄弟姉妹を正すときの模範です。

この章に登場する人物

説教が語っていること

使徒行伝18章についてよくある質問

使徒行伝18章でコリントでは何が起こりましたか。

パウロはアテネのあとコリントに着き、アクラとプリスキラの家に住んで一緒に働きます。毎安息日に会堂で教え、反対に遭うと異邦人に向かいます。会堂管理者クリスポは家族そろって信じます。主に励まされたパウロは、一年六か月とどまり、神の言葉を教えます。

アクラとプリスキラとは誰ですか。

ポントス出身のユダヤ人夫婦で、皇帝クラウデオがユダヤ人にローマからの退去を命じたため、イタリアから来ました。パウロと同じ天幕造りの仕事をしていました。のちにエペソで再び登場し、アポロを迎えて神の道をいっそう正確に説明します。

使徒行伝18章のアポロとは誰ですか。

アレキサンドリア出身のユダヤ人で、雄弁で聖書に通じています。イエスについて正確に教えますが、知っているのはヨハネのバプテスマだけでした。プリスキラとアクラは彼を迎え、教えを補います。その後アカヤに渡り、信者たちを大いに助け、イエスがキリストであることを聖書によって証明します。

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