はじめに
親になることは、説明書のない愛です。疲れや疑問、間違えることへの恐れの中で、人は確かな拠り所を探します。聖書に決まった手順はありませんが、貴い原則とたくさんの励ましを与えてくれます。口語訳から選んだこの20の言葉は、五つの段階で進みます。信仰を伝えること、子どものために祈ること、優しく戒めること、模範を示すこと、そして子どもたちを神にゆだねることです。家の中が静かになった夜に、一つ読んでみてください。
日々の暮らしの中で信仰を伝える
1. 申命記6章6-7節
「きょう、わたしがあなたに命じるこれらの言葉をあなたの心に留め、 努めてこれをあなたの子らに教え、あなたが家に座している時も、道を歩く時も、寝る時も、起きる時も、これについて語らなければならない。」
モーセは親たちに、神の言葉を心に留め、努めて子らに教え、家に座している時も、道を歩く時も、寝る時も、起きる時も、これについて語るようにと求めます。信仰は、改まった授業よりも、ふだんの暮らしを通して伝わります。 申命記6章を全文で読む。
2. 詩篇78篇4節
「われらはこれを子孫に隠さず、主の光栄あるみわざと、その力と、主のなされたくすしきみわざとを きたるべき代に告げるであろう。」
詩篇の作者は、主の光栄あるみわざと、その力と、くすしきみわざとを、きたるべき代に隠さず告げると約束します。神があなたの人生でなさったことを子どもたちに語るのは、宝物です。簡単な証しを自分の言葉で語るほうが、立派な説明よりも価値があることもあります。 詩篇78篇を全文で読む。
3. 詩篇145篇4節
「この代はかの代にむかって あなたのみわざをほめたたえ、あなたの大能のはたらきを宣べ伝えるでしょう。」
ダビデは、この代がかの代にむかって神のみわざをほめたたえ、大能のはたらきを宣べ伝えることを願います。家族で祈り、歌い、感謝する習慣が、その受け渡しを準備します。夜の祈りのような小さな習慣を決め、難しいときも続けてください。 詩篇145篇を全文で読む。
4. テモテへの第二の手紙3章14-15節
「しかし、あなたは、自分が学んで確信しているところに、いつもとどまっていなさい。あなたは、それをだれから学んだか知っており、 また幼い時から、聖書に親しみ、それが、キリスト・イエスに対する信仰によって救に至る知恵を、あなたに与えうる書物であることを知っている。」
パウロはテモテに、学んで確信しているところにとどまりなさい、幼い時から聖書に親しみ、それが救に至る知恵を与えうる書物であることを知っていると思い出させます。幼い頃に受けた聖書の教えは、長い目で見て実を結びます。たとえ子どもが離れても、あなたが伝えたものは種として残ります。 テモテへの第二の手紙3章を全文で読む。
子どものために祈る
5. ヨブ記1章5節
「そのふるまいの日がひとめぐり終るごとに、ヨブは彼らを呼び寄せて聖別し、朝早く起きて、彼らすべての数にしたがって燔祭をささげた。これはヨブが「わたしのむすこたちは、ことによったら罪を犯し、その心に神をのろったかもしれない」と思ったからである。ヨブはいつも、このように行った。」
ヨブは朝早く起きて、息子たちひとりびとりのために燔祭をささげました。ことによったら罪を犯したかもしれないと思ったからです。その行為は別の時代のものですが、考え方は今も変わりません。父親や母親は、成人した子どものためにもとりなします。祈ることは愛の行いです。 ヨブ記1章を全文で読む。
6. コロサイ人への手紙1章9節
「そういうわけで、これらの事を耳にして以来、わたしたちも絶えずあなたがたのために祈り求めているのは、あなたがたがあらゆる霊的な知恵と理解力とをもって、神の御旨を深く知り、」
パウロはコロサイの人々のために絶えず祈り求め、彼らがあらゆる霊的な知恵と理解力をもって、神の御旨を深く知るようにと願います。この祈りは、あなたの子どもたちのための祈りにもなります。子どもたちが神を知り、知恵をもって神の道を選びますように。 コロサイ人への手紙1章を全文で読む。
7. ルカによる福音書11章11-13節
「あなたがたのうちで、父であるものは、その子が魚を求めるのに、魚の代りにへびを与えるだろうか。 卵を求めるのに、さそりを与えるだろうか。 このように、あなたがたは悪い者であっても、自分の子供には、良い贈り物をすることを知っているとすれば、天の父はなおさら、求めて来る者に聖霊を下さらないことがあろうか」。」
イエスは、子の求めに良い贈り物をする人間の父親と、求めて来る者に聖霊を下さる天の父とを比べられます。あなたが子どもにパンを与えることを知っているなら、神はそれ以上に心を配っておられます。神の善意は、あなたの善意を超えています。 ルカによる福音書11章を全文で読む。
8. マタイによる福音書19章14節
「するとイエスは言われた、「幼な子らをそのままにしておきなさい。わたしのところに来るのをとめてはならない。天国はこのような者の国である」。」
親たちが子どもたちをイエスのもとに連れて来て祝福を求めましたが、弟子たちは止めようとしました。イエスは子どもたちを迎え、天国はこのような者の国であると言われます。あなたの子どもには、条件も功績も要らずに、イエスのそばに場所があります。 マタイによる福音書19章を全文で読む。
愛と優しさをもって戒める
9. エペソ人への手紙6章4節
「父たる者よ。子供をおこらせないで、主の薫陶と訓戒とによって、彼らを育てなさい。」
パウロは父親たちに、子供をおこらせないで、主の薫陶と訓戒とによって育てなさいと求めます。権威と優しさは両立します。辱められることなく戒められた子どもは、安心と敬意をより身につけやすくなります。 エペソ人への手紙6章を全文で読む。
10. 箴言3章11-12節
「わが子よ、主の懲らしめを軽んじてはならない、その戒めをきらってはならない。 主は、愛する者を、戒められるからである、あたかも父がその愛する子を戒めるように。」
箴言の父は、主の懲らしめを軽んじてはならない、主は愛する者を、父がその愛する子を戒めるように戒められると語ります。親の躾も、いつも愛という印を帯びているべきです。子どもを成長させるために戒めるのであって、傷つけたり怒りをぶつけたりするためではありません。 箴言3章を全文で読む。
11. 箴言15章1節
「柔らかい答は憤りをとどめ、激しい言葉は怒りをひきおこす。」
柔らかい答は憤りをとどめ、激しい言葉は怒りをひきおこします。緊張した場面では、口調が違いを生むことがよくあります。叫んでいる子どもに答える前に、一息ついてください。あなたの穏やかさは、罰よりも争いを鎮めることがあります。 箴言15章を全文で読む。
12. テサロニケ人への第一の手紙2章11-12節
「そして、あなたがたも知っているとおり、父がその子に対してするように、あなたがたのひとりびとりに対して、 御国とその栄光とに召して下さった神のみこころにかなって歩くようにと、勧め、励まし、また、さとしたのである。」
パウロは自分の働きを、子に対する父親のようだと描き、勧め、励まし、さとしたと語ります。この三つのしぐさは、親としてのすてきな指針です。正しいことを告げ、悲しみの中で慰め、前に進むよう励ますのです。 テサロニケ人への第一の手紙2章を全文で読む。
模範を示す
13. テトスへの手紙2章7節
「あなた自身を良いわざの模範として示し、人を教える場合には、清廉と謹厳とをもってし、」
パウロはテトスに、あなた自身を良いわざの模範として示しなさいと求めます。この呼びかけは親にも当てはまります。子どもは、聞いたことよりも見たことをまねます。話し方、働き方、赦し方など、自分の模範を大切にすることは、力強い教えです。 テトスへの手紙2章を全文で読む。
14. 詩篇101篇2節
「わたしは全き道に心をとめます。あなたはいつ、わたしに来られるでしょうか。わたしは直き心をもって、わが家のうちを歩みます。」
ダビデは、全き道に心をとめ、直き心をもって、わが家のうちを歩みますと決意します。家庭は、最もありのままの自分になれる場所です。そこで誠実に生きること自体が、すでに教育です。誰も見ていないと思うときでも同じです。 詩篇101篇を全文で読む。
15. 詩篇34篇11節
「子らよ、来てわたしに聞け、わたしは主を恐るべきことをあなたがたに教えよう。」
ダビデは、子らよ、来てわたしに聞け、主を恐るべきことを教えようと呼びかけます。こうして親は教師になりますが、まず自分が道を歩みながら示す案内人です。子どもたちと座って、神のことを簡単に話す時間をとってください。 詩篇34篇を全文で読む。
16. 箴言14章26節
「主を恐れることによって人は安心を得、その子らはのがれ場を得る。」
主を恐れることによって人は安心を得、その子らはのがれ場を得ます。生きた信仰は、子どもたちに戻って来られる安全な場所を与えます。たとえ子どもたちが離れても、扉は開いたままだと知っているのです。 箴言14章を全文で読む。
子どもを神にゆだねる
17. イザヤ書44章3節
「わたしは、かわいた地に水を注ぎ、干からびた地に流れをそそぎ、わが霊をあなたの子らにそそぎ、わが恵みをあなたの子孫に与えるからである。」
神は、かわいた地に水を注ぐように、わが霊を子らにそそぎ、わが恵みを子孫に与えると約束されます。このイメージを、子どものための祈りに用いることができます。あなたが行けない場所にも、神の霊が子どもたちに届きますように。 イザヤ書44章を全文で読む。
18. 詩篇112篇2節
「その子孫は地において強くなり、正しい者のやからは祝福を得る。」
この詩篇は、その子孫は地において強くなり、正しい者のやからは祝福を得ると語ります。機械的な保証ではなく、神と共に歩む人への希望の約束です。難しい時期を通る子どもを持つ多くの親が、この聖句にすがります。 詩篇112篇を全文で読む。
19. ペテロの第一の手紙5章7節
「神はあなたがたをかえりみていて下さるのであるから、自分の思いわずらいを、いっさい神にゆだねるがよい。」
ペテロは、神があなたがたをかえりみていてくださるので、思いわずらいをいっさい神にゆだねるがよいと勧めます。親の悩みは、健康、学校、交友関係と、たくさんあります。祈りの中に置くことは行動の代わりにはなりませんが、安らかに眠る助けとなります。 ペテロの第一の手紙5章を全文で読む。
20. テモテへの第二の手紙1章12節
「そのためにまた、わたしはこのような苦しみを受けているが、それを恥としない。なぜなら、わたしは自分の信じてきたかたを知っており、またそのかたは、わたしにゆだねられているものを、かの日に至るまで守って下さることができると、確信しているからである。」
パウロは、自分の信じてきたかたを知っており、そのかたは、ゆだねられているものを、かの日に至るまで守って下さることができると確信していると語ります。子どもを神にゆだねる親は、この確信を持てます。あなたがゆだねる方は、あなたよりも忠実で、力あるお方です。 テモテへの第二の手紙1章を全文で読む。
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よくある質問
親にふさわしい聖書の言葉は何ですか。
日々の暮らしの申命記6章6-7節、子供をおこらせずにエペソ人への手紙6章4節、箴言22章6節が大切な拠り所です。励ましとしては、イザヤ書44章3節が、子孫への神の霊を約束しています。
子どものために、どう祈ればよいですか。
子どもの健康、知恵、友人関係、神との関係のために祈りましょう。毎晩、頭に手を置いて祝福してください。長所も弱さもあるそのままの子どもの言葉に耳を傾け、愛せるよう、神に助けを求めてください。
聖書は子どもの躾について何と言っていますか。
聖書は親に、戒め、教えるよう求めますが、子どもをおこらせてはいけないと語ります(エペソ人への手紙6章4節、コロサイ人への手紙3章21節)。躾の目的は愛をもって導くことであり、辱めることではありません。常に優しさと忍耐と励ましが伴います。